秋分
ガタン
ゴトン
ゴン
ドン
ガン
と音がする。
毎年増えていくその音に
最初は何事かと身構える。
数回目の音でようやく
「あぁ、そうだ」と思い出す。
音の正体は、「栗」
栗の木が屋根の上へ枝を伸ばして、
殻ごとだったり、中身の栗をひと粒ずつだったりと。
落としている。
動物たちの食糧になったり、
芽を出して苗木になったり。
家の裏は山の斜面で、
多種多様な木々が生きている。
屋根に落ちた栗たちは、
ころころころころころがって、
キッチンの窓の外の広場(土)に集まってくる。
そこから上を見上げると
見守ってくれているように大きな母親栗の木。
今にも落ちそうな栗たちがたくさん実っている。
栗に秋を教えてもらう
「秋分」の頃のお話。